「暮らしに潤いと安らぎを届けたい」という思いで、1978年より創作活動を始めました。学生時代の恩師のことばを原点に KOBE ATERIER NONOHANA が1984年に誕生しました。私の作品づくりは小さい頃から建築家の父と料理教室を主宰する母のもとに育ちモノ作りに触れてきたこと、海と山に囲まれた神戸の自然に影響を受けたことにあると思います。
庭のシンボルツリーとしてオリーブの木を植えています。カーテン越しに光が射し込む様子は、南仏を旅した時にオリーブの木々を渡ってくる優しい風の中で流れた穏やかな時間を思い起こします。神戸にも最古のオリーブの樹(樹齢150年)が兵庫区の湊川神社に植えられています。
1995年に起きた阪神淡路大震災の中では、庭の片隅に咲く小さな花に勇気づけられました。その素朴な花に元気をもらいハーブを植え始めました。そしてハーブティーやハーブを使ったパンづくり、ハンドクリームづくりなど 「ハーブのある暮らし」 へと発展していきました。
その後、パン教室、テーブルコーディネート、ティーセミナーなどホテルでのカルチャースクールの講師へと活動の幅が広がっていきました。
瀬戸内国際芸術祭では「オリーブのある暮らし」展や型絵染めワークショップなどを開催しました。
セレクトアイテムとしてコラボレーション企画を行った香川の一和堂工芸の漆器や地場産業の神戸真珠、機能的な大阪グラフのカトラリーなどを扱っています。
型絵染め
- 季節ごとの花をデッサンし
デザイン化します。 - 渋紙にそのデザインを写し、
刀(とう)で彫って型紙をつくります。
一つの花に十数枚の型を作ります。 - 染料を混ぜ合わせて色をつくり、型紙の
上から刷毛ですり込み、重ね染めしていきます。 - 染料が生地に浸透して乾燥すると色が
薄くなるので何度も重ね染めていきます。
「季節の花を染める」
渋紙とは…
和紙に柿渋を塗ってしみこませた後、天日乾燥し1週間ほど室の中で燻製にしたもの
伊勢型紙は染色用具として、きもの(江戸小紋・京友禅など)などの型染めに用いられてきました。現在では洋紙の型紙もあります。刀(とう)とは…
型彫りに用いる小刀(幅3mm程のもの)刷毛とは…
馬や鹿の毛を使用染料とは…
直接染料、酸性染料、反応染料、顔料など
草木染め
六甲山は瀬戸内海国立公園の
区域に指定されています。
山の小美術館の企画展を開催するために
前もって伐採された木々を、
特別に許可を得ていただきました。
この企画展を開催するにあたって
六甲山の植物を見てきました。
木々の緑がまぶしい夏。
紅葉の美しい秋、
木の実も色づいていきます。
凛とした冷たい空気の初冬、
木々の葉が落ちると
その樹木の枝ぶりのシルエットが美しく、
蓬莱峡まで足を延ばすと
また違った六甲山の表情に出会います。
「六甲山の自然を染める」
植物の染料×生地の種類×素材の質感×媒染剤 によっていろいろな色に染まります。植物…
キハダ ドングリ クリ オニグルミ ウバメガシ サクラ スギ ヤマモモ ヤシャ ヨモギ コサカキの実染料…
これらの植物からの染料液(草木の葉や根、樹木の樹皮、小枝、幹、根、実から色素をとり出したもの)のこと生地の種類…
絹 麻 綿素材の質感…
薄手、厚手の生地 (糸の細さ、太さ 撚りの強さ)媒染剤…
アルミ(ミョウバン)、銅(孔雀石粉末)、鉄(鉄粉)、酢、灰汁など
媒洗剤は環境を考えて中和剤を使用して分解し流しています。