南天

南天は、メギ科の常緑低木です。高さが1.8mくらいになった木が裏庭で赤い...

南天は、メギ科の常緑低木です。高さが1.8mくらいになった木が裏庭で赤い実をつけています。30年前に以前住んでいた所から持ってきたものです。幹は束で株になっています。葉は枝先に集中して対生(葉が茎の1つの節に2枚向かい合ってつくこと)しています。6月頃、枝先に小さな白い花が咲き11月頃から丸く赤色の実になります。実の色が白い種類の「シロナンテン」もあります。南天は、平安時代に薬用、鑑賞用として中国から伝来し、足利義満が建てた鹿苑寺(金閣寺)の有佳亭(せっかてい)には南天の床柱が使われたとの伝承があります。 生け花の初期の伝書、仙伝抄にも南天が取り上げられています。難を転じるの語呂だけでなく文様の世界でも吉祥文として取り入れられています。赤い実が正月の掛け軸にひときわ映え、着物や帯のモチーフにも使われています。南天の実は咳止め効果の高い生薬として古くから利用されてきました。南天の果実、葉、茎、根が生薬となり果実を乾燥させたものを南天実と呼び、O-メチルドメスチシンが含まれており、咳を鎮める効果があることから南天の成分を含むのど飴もあります。南天と言えばのど飴を連想する方もあるのではないでしょうか。