雷乃発声(かみなりすなわちこえはっす)

四季のしつらい
遠くの空で雷が鳴りだす頃。春の雷のほとんどが寒冷前線の通過によって起こり...

遠くの空で雷が鳴りだす頃。春の雷のほとんどが寒冷前線の通過によって起こります。テレビの報道を見ながら驚きますが、雪やひょうが降ることもあります。ようやく暖かくなってきたと思っていたのに、まだまだお天気は定まりませんね。この時期を過ぎれば春爛漫といった穏やかな日々が訪れます。雷の語源は、神鳴りで鬼の姿で背中に太鼓を背負い、それを打ち鳴らす雷神の絵を目にします。雷が多くなる春から夏はちょうど稲が育つ時期で、雷も稲の生長に影響するそうです。季節が少しずつ前へとすすんでいる時期です。

啓蟄(けいちつ)

四季のしつらい
この時期は、まだ少し寒さも残っていますが、大雪が降るという事も少なくなり...

この時期は、まだ少し寒さも残っていますが、大雪が降るという事も少なくなり、日に日に春に近づいて陽ざしも暖かくなってきました。気持ちも明るく元気になります。啓蟄とは、二十四節気の雪から雨へと雪氷が溶け始める「雨水」の次で、春分の前の季節です。冬ごもりをしていた虫たちが顔を出し、土から出てくるという意味です。もちろん虫に限らず様々な生き物が目覚める時です。実家では冬になる前に、木の幹に藁で編んだ敷物のようなコモを松の木に巻き付けて虫を集め、この時期に取り外し燃やすことで、害虫退治を行っています。庭でもミツバチがミモザの花の周りを元気に飛び回っています。

ひな祭り「上巳の節句」

四季のしつらい
3月3日のひな祭り「上巳の節句」は、中国にある「上巳説」という3月初旬の...

3月3日のひな祭り「上巳の節句」は、中国にある「上巳説」という3月初旬の節句と「流しびな」という行事に平安時代の宮中でおこなわれていた「ひいな遊び」という行事が合わさって生まれたとされています。身を清めるために紙人形を作って海や川に流しました。雛流し、または流しびなとなって今に伝わります。源氏物語にもこの人の形(形代:かたしろ)を舟に乗せ須磨の海に流したと書かれています。女の子が遊ぶ人形を「ひいな」と呼んでいたことから「ひな」と言われるようになったともいわれるなど諸説あります。江戸時代になると、雛人形とともに桃の花や菱餅を飾り白酒で祝う女の子のお祭りとして定着しました。女の子が健やかに育ち幸せであるようにとの願いを込めて雛人形を飾るのが習慣となりました。