蚯蚓出(みみずいずる)
四季のしつらい庭仕事をしながら、ミミズに出会うとうれしくなります。それはミミズは土を耕すことが知られているため、ここは豊かな土壌なのだと思うからです。日本では、自然の鍬と言われてきました。古代ギリシャのアリストテレスはミミズを「大地の腸」と名づけていたとか。進化論で知られるダーウィンも晩年はミミズの研究に捧げ、ミミズがいかに土壌を作るかを長年観察したようです。雨の後など、石畳にでてきます。うっかりしていると、鳥に見つけられて、食べられてしまいます。ミミズは、腐葉土を食べ、窒素やリンを含んだ栄養豊富な糞を排出しています。その糞は、小さな微生物たちの格好の住処となり、さらに分解されて肥沃な土を作ると学生時代の土壌調査の研究で学びました。健康な土には、1グラム中に1億もの微生物がいるといわれています。ミミズが動き回ることによって、土中に酸素がゆきわたり、通気性がもたらされ、ふかふかの土を作ってくれるミミズの働きは、大きいのです。