夏越の祓
四季のしつらい旧暦の六月、夏越の祓(なごしのはらえ)があります。茅で作られた輪をくぐって一年の前半を無事に過ごせたことを感謝し、残りの半年も健康に過ごせるようにと願う日本の行事です。室町時代の宮中では夏の暑い時期に、氷室の氷を掘り出しひとかけらを口にし暑気払いをしていましたが、氷が食べられない庶民が、氷のかけらに似せた三角のお菓子(水無月)を食べたのが始まりと言われています。
旧暦の六月、夏越の祓(なごしのはらえ)があります。茅で作られた輪をくぐって一年の前半を無事に過ごせたことを感謝し、残りの半年も健康に過ごせるようにと願う日本の行事です。室町時代の宮中では夏の暑い時期に、氷室の氷を掘り出しひとかけらを口にし暑気払いをしていましたが、氷が食べられない庶民が、氷のかけらに似せた三角のお菓子(水無月)を食べたのが始まりと言われています。
梅の実が熟す頃の雨ということから「梅雨」になったと言われる6月ですが、「梅の月色」と美しい言葉も残っています。梅は、昔から日本人に身近な植物ですが、もともとは、花よりも実が万病に効くとされ、奈良時代に薬用植物として中国から伝わったと言われています。近所のりっぱな梅の木の実が色づいていました。じめじめとした梅雨の時期には、身体の免疫力が落ちてきます。そのような中、クエン酸が豊富で疲労回復、食欲増進の作用がある梅干しは、古くから重宝されて来ました。殺菌作用も強く、食中毒の予防にも役立ちます。梅干しや梅酒、梅シロップ、ジャムなどを作り保存食として楽しみます。
6月6日は、二十四節気の芒種。稲や麦など穂の出る植物の種を蒔く頃です。稲の穂先にある針のような突起を、芒(のぎ)といいます。この頃から雨雲が増え、いよいよ梅雨入りの季節です。庭の紫陽花も雨に濡れてみずみずしく趣を感じます。最近は、アンティーク風の色合いや種類も増え楽しみです。また、どこからかやってくる可愛いカタツムリにも癒されています。
夏至の日は、北半球では1年中で昼の時間がもっとも長く、夜の時間がもっとも短い日です。北欧では、太陽が輝くミッドサマーシーズン。スウェーデンの人々はサマーハウスやキャンプ場でアウトドアを楽しみます。1年で最も過ごしやすく美しい季節です。伝統的な夏至祭が行われます。中でもストックホルムから電車で3時間ほど北へ向かったダーラナ地方は、伝統工芸の1つのダーラナホースの生まれた地方としても有名です。昔、ヘムスロイド(手工芸)センターを訪ねました。人々は広場に集まり弦楽器やアコーディオンの演奏が始まります。季節の草花で飾った白樺のポールはメイポールと呼ばれ、ポールの芯にきれいにテープを巻いていくメイポールダンスを踊ります。私も学生時代に体操会で踊ったことがあります。日本では、梅雨のシーズンなのですが。田植えの時期が今より遅かったため農繁期でもありました。