小満

四季のしつらい
二十四節気の8番目の小満。立夏と芒種(梅雨入り前の時期)の間の時期です。...

二十四節気の8番目の小満。立夏と芒種(梅雨入り前の時期)の間の時期です。小満というのは、「万物の成長する気が徐々に強くなり、天地に満ちる」という意味だと言われています。江戸時代に松平頼救が記した暦においても「万物衛満すれば草木枝葉繁る」と記されています。5月半ばは、気候も落ち着いて大変過ごしやすい時期です。作物も生い茂り、新緑の美しい季節です。しかし、その一方で、麦の穂をなぎ倒すような嵐になることもあります。こういった嵐のことを麦嵐といい、この時期に降る雨は、麦雨と呼ばれています。梅雨入り前の陽気な季節ですので、自然の豊かなところへ出かけて万物の成長を感じてみてはいかがでしょうか。

イースター

四季のしつらい
日本でもディズニーランドのイベントになり、クリスマスと並んで知られるよう...

日本でもディズニーランドのイベントになり、クリスマスと並んで知られるようになったイースター。海外のキリスト教圏では、キリストの誕生を祝うクリスマスよりも大事にされているイベントです。イースターとは、十字架にかけられて亡くなったキリストがその3日後に復活されたことを祝う「復活祭」です。宗教的にも意味のある日で、イースターを祝って学校が休みになる国もあるそうです。クリスマスは12月25日と決まっていますが、イースターは日にちが定まっていません。「Spring Equinox Day(春分の日)の後、最初の満月の次の日曜日」になります。今年のイースターは4月17日です。日本でも春になるとデパートの食器売り場などで可愛らしい卵の飾りやウサギの置物を見かけます。イースターエッグは、チョコレートや陶器などで作られたものが多くありますが、本来は卵そのものです。生命のはじまりの象徴であり、殻の中にいる時間を経て殻を割って生まれてくる様子がキリストの復活を表している事からシンボルとなっています。イースターバニーは、ウサギが多産であることから、豊穣や繁栄のシンボルとされていることがもとになっているようです。

ひな祭り「上巳の節句」

四季のしつらい
3月3日のひな祭り「上巳の節句」は、中国にある「上巳説」という3月初旬の...

3月3日のひな祭り「上巳の節句」は、中国にある「上巳説」という3月初旬の節句と「流しびな」という行事に平安時代の宮中でおこなわれていた「ひいな遊び」という行事が合わさって生まれたとされています。身を清めるために紙人形を作って海や川に流しました。雛流し、または流しびなとなって今に伝わります。源氏物語にもこの人の形(形代:かたしろ)を舟に乗せ須磨の海に流したと書かれています。女の子が遊ぶ人形を「ひいな」と呼んでいたことから「ひな」と言われるようになったともいわれるなど諸説あります。江戸時代になると、雛人形とともに桃の花や菱餅を飾り白酒で祝う女の子のお祭りとして定着しました。女の子が健やかに育ち幸せであるようにとの願いを込めて雛人形を飾るのが習慣となりました。

節分

四季のしつらい
節分とは、漢字の通り季節の節目である立春、立夏、立秋、立冬の前日のことを...

節分とは、漢字の通り季節の節目である立春、立夏、立秋、立冬の前日のことを言います。旧暦では、春から1年が始まるとされていたので、立春の前日である春の節分が大切とされ、今では、春の節分が節分と言う認識が広まりました。節分といえば、2月3日のイメージが強いですが、昨年2021年は124年ぶりに2月2日が節分となり話題になりました。二十四節気は、太陽と地球の位置関係で決まりますから、少しずつずれていきます。  節分と言えば豆まきを思い浮かべますね。最も一般的と言える鬼払いは、中国の風習を由来とするもので平安時代の追儺(ついな)、とよばれ(大晦日に行われた)宮中行事とされました。豆は「穀物には生命力と災害を取り除く力がある」とされ、語呂合わせで、豆と魔目(まめ)、鬼に豆を投げつけて鬼を滅する「魔滅」に通じ一年の健康を願ったようです。豆を自分の歳の数だけ食べると丈夫で風邪をひかないという習わしがあります。平安時代からはイワシを食べたり、柊の枝に刺したりして玄関に飾り鬼が家の中に入って来るのを防ぐと言う習わしのあるところもあるようです。また近年では由来は定かではありませんが、恵方巻と名付けられた巻き寿司を食べるようにもなりました。

人日の節句 七草粥

四季のしつらい
1月7日は新年はじめて訪れる五節句の一つ「人日」です。奇数が重なる日を良...

1月7日は新年はじめて訪れる五節句の一つ「人日」です。奇数が重なる日を良い日とした中国からの伝承を取り入れています。四季の移り変わりを楽しめる日本で奈良時代から稲作中心の生活リズムに合わせて適合させてきました。五節句のなかで唯一同じ奇数が重ならない日です。1月1日の元日は別格とされたため、1月7日が五節句に取り入れられました。日本では平安時代から江戸時代に一般に定着し、江戸幕府の公式行事となりました。中国の地方風俗を記した荊楚歳時記に「正月七日を人日と為す。七種の菜を以って羹(あつもの)為(つくる)」とあり、この日に七種の若菜を熱い吸い物にして健康を願う風習がありました。日本では昔の和歌に「せりなずなごぎょうはこべらほとけのざすすなすずしろ是は七種」という歌があります。これら七種類の草を入れたものが七草粥です。現代では冬でも青物が入手できますが、昔は冬に不足しがちなビタミンCを補う貴重な料理でした。現代の七草粥はどちらかというとお正月のご馳走の後、淡泊な粥で胃腸を休めるという意味で親しまれています。

冬至

四季のしつらい
12月22日は冬が至ると書いて冬至。1年で最も昼の時間が短くなる日のこと...

12月22日は冬が至ると書いて冬至。1年で最も昼の時間が短くなる日のことです。12月に入ると寒さと共に日没の早さを感じます。二十四節気は、1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、夏至、冬至、春分、秋分と暦の基礎となる日として古くから重要な日とされてきました。冬至の日を境に日照時間が延びていくことから、季節が折り返し希望へと向かう日ともされました。日本では、太陽の光をたくさん受けた野菜としてカボチャを食べることに結びついたようです。栄養の点からも、消化が良くビタミンやミネラル、カルシュウム、食物繊維などがバランスよく含まれています。風邪を予防できる食材とも言われ冬至に食すことにつながったようです。また、ゆず湯に入るということも、江戸時代の銭湯で冬至の日にユズを入れたことが始まりとか言われています。