熊蟄穴(くまあなにこもる)

四季のしつらい
本来「くまあなにこもる」とは、巣穴に入って冬眠する時期という意味ですが、...

本来「くまあなにこもる」とは、巣穴に入って冬眠する時期という意味ですが、今年は例年になく秋になっても暖かく、北海道を始め各地で、民家にまで熊が出没しているニュースを多く聞きます。冬眠というのはずっと眠っているようなイメージですが熊の冬眠はずっと寝ているわけではなく、眠りは浅く出産や子育てのため冬眠中も起きることがあるようです。人も冬眠はしないものの冬は家にこもりがちになります。庭の植物も葉っぱを落とし、幹や枝だけになって眠っているようです。みんな春を待ちわびているのでしょう。春に思いを馳せながら過ごしています。(写真はアトリエの冬のブルーベリーの木です。)

山茶始開(つばきはじめてひらく)

四季のしつらい
立冬を過ぎ、山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃になりました。「つばきは...

立冬を過ぎ、山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃になりました。「つばきはじめてひらく」の花は、椿(つばき)ではなく、ツバキ科の「山茶花」のことです。「山に生え花を咲かせるお茶の木」ということで、葉の部分をお茶として飲んでいたことに由来すると言われています。花の少ない季節に、人知れずそっと咲いて散っていく山茶花。冬枯れの景色を可憐に彩ることから、寺院や茶室の庭木としても好まれる花です。花言葉は、「ひたむきな愛」です。

菊花開(きくのはなひらく)

四季のしつらい
爽やかな澄んだ空気に青空。秋からの贈り物です。菊の花をなぞり菊晴れといい...

爽やかな澄んだ空気に青空。秋からの贈り物です。菊の花をなぞり菊晴れといいます。「きくのはなひらく」は、菊の花が咲き人々が愛でる季節に名前をつけたものです。菊は、奈良時代に薬草として中国から伝わったと言われています。それ以頼、親しまれている日本を代表する花です。春の桜に対して秋を代表する花です。花言葉は「高貴」「高尚」と、とても大切にされていることが感じられます。重陽の節句は「菊の節句」ともいわれ、無病息災を願い菊の花を浸した菊花酒を飲むならわしがあります。(写真は牧野植物園で撮影したノギクです。)

 

鶺鴒鳴

四季のしつらい
この時期は、セキレイが鳴き始める頃とされていましたが、今年は見られません...

この時期は、セキレイが鳴き始める頃とされていましたが、今年は見られません。もともとは北海道や東北でしか見かけない鳥でしたが、最近は西日本でも見る事が出来るようになりました。セキレイは河川や池など水辺を拠点に昆虫などを食べていましたが、近年は市街地でも見られスズメやハトと同じく親しまれています。長い尾を上下に振りながら歩くのが特徴で、石たたきなどとも呼ばれています。

 

綿柎開

四季のしつらい
秋の七十二候の1つに綿柎開(わたのはなしらべひらく)があります。柎は、普...

秋の七十二候の1つに綿柎開(わたのはなしらべひらく)があります。柎は、普段使わない漢字です。綿の植物として名前は、ワタでこれを紡いで出来たものが綿布になります。昔、丹波篠山の道具屋さんで、糸車を見つけ綿を引っ張りながら紡ぎ、糸にしました。その糸をクチナシで黄色に染めて織機で織ったことがあります。昔の人は、このようにして栽培したワタを糸にして衣服を作っていたのですから大変なことだったでしょう。ワタの黄色の花は、咲き終わると子房が膨らみ緑の実を結ぶのですが、この実が開くと、真っ白な綿花コットンが見られます。まさにこの時期の特徴を表した季節名です。

温風至(あつかぜいたる)

四季のしつらい
本格的な夏の訪れを告げる時期のことを表す美しい言葉です。読み方は「あつか...

本格的な夏の訪れを告げる時期のことを表す美しい言葉です。読み方は「あつかぜいたる」と読むのですが、本来、熱風が吹く真夏の暑い風でなく爽やかなものです。本格的な夏に入る頃をいいますが、今年は酷暑になってしまいました。年々暑さが厳しくなることに温暖化を心配しています。