梅子黄(うめのみきばむ)

四季のしつらい
梅の実が熟す頃の雨ということから「梅雨」になったと言われる6月ですが、「...

梅の実が熟す頃の雨ということから「梅雨」になったと言われる6月ですが、「梅の月色」と美しい言葉も残っています。梅は、昔から日本人に身近な植物ですが、もともとは、花よりも実が万病に効くとされ、奈良時代に薬用植物として中国から伝わったと言われています。近所のりっぱな梅の木の実が色づいていました。じめじめとした梅雨の時期には、身体の免疫力が落ちてきます。そのような中、クエン酸が豊富で疲労回復、食欲増進の作用がある梅干しは、古くから重宝されて来ました。殺菌作用も強く、食中毒の予防にも役立ちます。梅干しや梅酒、梅シロップ、ジャムなどを作り保存食として楽しみます。

竹笋生(たけのこしょうず)

四季のしつらい
初夏の味覚の筍が竹藪の土からひょっこり出てくる頃のこと。筍ごはんにお吸い...

初夏の味覚の筍が竹藪の土からひょっこり出てくる頃のこと。筍ごはんにお吸い物、木の芽和えや若竹煮などにし、優しいほのかな甘みを楽しみます。筍が何枚もの薄い皮に包まれていますが、この皮には、キツネやイノシシなどの動物に食べられないようにする役目があります。竹は、節目を作りながら、まっすぐ伸びるその強い生命力にあやかって、節度としなやかな強さの象徴とされてきました。1日で数十センチずつ、雨後の筍とも言うように雨が降った後は、驚くほど一斉に伸びるようです。さまざまな草木が青葉の勢いを増していく中で、地中の筍を育てている親竹たちは、黄ばんで、どんどん葉を落としていきます。古葉がどっさりと散り積もった地面から、ちょっと顔を出す筍には風情があります。

清明

四季のしつらい
清明とは、「清浄明潔」という言葉を略したもので全てのものが清らかで生き生...

清明とは、「清浄明潔」という言葉を略したもので全てのものが清らかで生き生きしているという意味で、様々な花が咲き木々は生命力にあふれ、生き物は元気よく動き回る時期です。燕が南の国から渡ってくる頃です。沖縄では「シーミー」と呼ばれる清明祭が行われます。先祖代々のお墓に親戚一同が集まり、墓掃除やお供えをした後、その場で、宴会をする様子がメディアでも報道されています。伝統行事として行われていますが、気候が良く散策にふさわしい時期なので、お墓の草むしりやお掃除に出かける方も多いでしょう。日本では、春の青草を踏んで遊ぶ、春の野遊びという意味の「路青」ということばがあります。

啓蟄(けいちつ)

四季のしつらい
この時期は、まだ少し寒さも残っていますが、大雪が降るという事も少なくなり...

この時期は、まだ少し寒さも残っていますが、大雪が降るという事も少なくなり、日に日に春に近づいて陽ざしも暖かくなってきました。気持ちも明るく元気になります。啓蟄とは、二十四節気の雪から雨へと雪氷が溶け始める「雨水」の次で、春分の前の季節です。冬ごもりをしていた虫たちが顔を出し、土から出てくるという意味です。もちろん虫に限らず様々な生き物が目覚める時です。実家では冬になる前に、木の幹に藁で編んだ敷物のようなコモを松の木に巻き付けて虫を集め、この時期に取り外し燃やすことで、害虫退治を行っています。庭でもミツバチがミモザの花の周りを元気に飛び回っています。

立春

四季のしつらい
お正月が終わり、大学センター試験の頃には、なぜかいつも雪が降るように思い...

お正月が終わり、大学センター試験の頃には、なぜかいつも雪が降るように思います。2月に入ってもまだまだ冬真っ盛りでとても春の訪れなんて感じられないのですが、暦の上では「春の始まり」です。庭では、秋に植えたムスカリ、クロッカス、ヒヤシンス、フリージア、チューリップなどの球根たちが、可愛い芽を出しています。また、ユキヤナギやクワの木から小さな新芽が出ています。自然界では、着実に春の気配を感じ少しエネルギーを貰った気がします。うぐいす餅を頂きながら外を見ると梅の花が咲いていて良い香りが漂ってきます。

水泉動 すいせんうごく

四季のしつらい
庭に色々な種類のスイセンが次々と咲いています。寒さの本番はむしろこれから...

庭に色々な種類のスイセンが次々と咲いています。寒さの本番はむしろこれからですが、冬至から少しずつ伸びた日差しに強さと眩しさが増してきたように感じます。七十二候「水泉動」は小寒を過ぎ冷たくよどんでいた泉に、温かみや水の動きが出てくるという意味です。ロウバイの花が咲き良い香りが広がっています。春の兆しをはっきりと感じる、そんな時期をあらわしています。温かいハーブティーを入れ少しずつ身体を動かすように心がけています。